テレビ画面から流れる『明日への手紙』の旋律が、夜の静寂に溶けていく。ドラマを見終え、僕は布団に入ったが、どうしても目が冴えていた。
ベランダに干したままのTシャツが、冷たい夜風に揺れている。それが完全に乾ききるまでは、あかりの心に触れることはできない――そんな根拠のない予感が、妙に胸を締め付けた。
まどろみの中で、僕は奇妙な夢を見た。
季節は今より少し前、あかりが中学時代を過ごしていた頃の風景だ。あかりは誰かから陰湿な悪意を向けられ、その手から大切にしていた人形が奪われていた。人形は無残にも、校舎裏の暗い藪の中へ投げ捨てられる。あかりの悲鳴にも似た静寂が、夢の中で何度も反響した。
目が覚めると、心臓が早鐘のように鳴っていた。
さっきまでドラマを見ていた温かい余韻は消え失せ、代わりに居ても立っても居られない焦燥感が全身を支配する。
時計の針は深夜を回っている。非常識だとは分かっていた。それでも、今の僕には確かめる術が他にない。
僕は震える手でスマートフォンを掴み、あかりの番号を呼び出した。
(プルル……プルル……)
静まり返った夜の部屋に、呼び出し音だけが空虚に響く。どうか、出てくれ。僕は祈るような気持ちで、繋がるはずのない相手の応答を待った。
ベランダに干したままのTシャツが、冷たい夜風に揺れている。それが完全に乾ききるまでは、あかりの心に触れることはできない――そんな根拠のない予感が、妙に胸を締め付けた。
まどろみの中で、僕は奇妙な夢を見た。
季節は今より少し前、あかりが中学時代を過ごしていた頃の風景だ。あかりは誰かから陰湿な悪意を向けられ、その手から大切にしていた人形が奪われていた。人形は無残にも、校舎裏の暗い藪の中へ投げ捨てられる。あかりの悲鳴にも似た静寂が、夢の中で何度も反響した。
目が覚めると、心臓が早鐘のように鳴っていた。
さっきまでドラマを見ていた温かい余韻は消え失せ、代わりに居ても立っても居られない焦燥感が全身を支配する。
時計の針は深夜を回っている。非常識だとは分かっていた。それでも、今の僕には確かめる術が他にない。
僕は震える手でスマートフォンを掴み、あかりの番号を呼び出した。
(プルル……プルル……)
静まり返った夜の部屋に、呼び出し音だけが空虚に響く。どうか、出てくれ。僕は祈るような気持ちで、繋がるはずのない相手の応答を待った。

