「なあ、ここで合唱コンクールの歌、練習してみないか?」
誰かのそんな一言で、公園の空気が一変した。楽器も伴奏もない、僕たちだけの生の歌声。『明日への手紙』のフレーズが、夕暮れの公園に静かに響き始める。
歌い終えると、近くを通りかかったおばあさんが足を止め、目を細めて僕たちを見つめていた。
「いやあ……私らには全く馴染みのない曲だけど、いいねえ。なんだか、心が洗われるような素敵な曲だねえ」
そう言って、おばあさんは満足げに微笑んで去っていった。
僕たちは四人乗りのブランコに腰を下ろすと、お互いの膝の上に乗り合って、窮屈そうに、でも最高に心地よそうに肩を寄せ合った。ブランコを大きく揺らしながら、僕たちはもう一度、今度は少しだけ声を合わせて歌い続けた。
空が茜色から深い藍色へと変わっていく。やがて、遠くの街から6時のチャイムが哀愁を帯びた音色で鳴り響いた。
その音を聞くと、それまで歌っていた僕たちの声が自然と止み、みんなは互いの顔を見て、それとなく帰宅の準備を始めた。特別なことは何もない。ただ、ブランコに揺られながら歌ったというだけの放課後の時間。それが、僕たちにとっては明日へ向かうための大切な儀式だった。
誰かのそんな一言で、公園の空気が一変した。楽器も伴奏もない、僕たちだけの生の歌声。『明日への手紙』のフレーズが、夕暮れの公園に静かに響き始める。
歌い終えると、近くを通りかかったおばあさんが足を止め、目を細めて僕たちを見つめていた。
「いやあ……私らには全く馴染みのない曲だけど、いいねえ。なんだか、心が洗われるような素敵な曲だねえ」
そう言って、おばあさんは満足げに微笑んで去っていった。
僕たちは四人乗りのブランコに腰を下ろすと、お互いの膝の上に乗り合って、窮屈そうに、でも最高に心地よそうに肩を寄せ合った。ブランコを大きく揺らしながら、僕たちはもう一度、今度は少しだけ声を合わせて歌い続けた。
空が茜色から深い藍色へと変わっていく。やがて、遠くの街から6時のチャイムが哀愁を帯びた音色で鳴り響いた。
その音を聞くと、それまで歌っていた僕たちの声が自然と止み、みんなは互いの顔を見て、それとなく帰宅の準備を始めた。特別なことは何もない。ただ、ブランコに揺られながら歌ったというだけの放課後の時間。それが、僕たちにとっては明日へ向かうための大切な儀式だった。

