フジテレビのスタジオで、テレビで見ていた『サバカン 宇宙に行く』の生演技が始まった。画面越しではなく、目の前で繰り広げられる世界に、僕は思わず声を弾ませた。
「すごい……いつも見てたものを、こうして生で見られるなんて最高だよな!」
隣であかりも「わーい! わーい!」と無邪気に飛び跳ねて喜んでいる。その姿を見て、正男がニヤリと僕を突いた。
「おい秋夫。あかりちゃんがいるのに、またドラマの子に心奪われて『あの子もいいな』なんて言い出すんじゃねえだろうな?」
その言葉に、あかりの表情が凍りついた。パシーン! と小気味よい音がして、僕の頭に強烈な一撃が飛んできた。
「わあ、あかり怒っちゃった!」
はるかやあんなが笑って見守る中、あかりはわーわーと泣き出してしまった。パニックになったあかりは、僕の手を思い切り噛んだ。指先に鋭い痛みが走り、小さな傷から血が滲む。
「ごめん……ごめんね……」
あかりは泣きながら、僕の噛んだ指を懸命に舐めてくれた。
「おい、秋夫……お前、今何を……?」
正志がドン引きした顔でこちらを見ている。正男がすかさず「おい、あかりちゃんは知的障害があるんだ。悪気があってやってるわけじゃないから」とフォローを入れたが、正直、僕の心境は複雑だった。指はズキズキと痛む。でも、あかりが必死に手当てをしてくれている温もりに、言いようのない興奮を感じてしまった。
騒ぎを聞きつけた佐藤先生が、いつの間にか横に立っていた。
「まったく、騒がしいわね。はい、これ」
先生は手際よく僕の指に薬を塗り、絆創膏を貼ってくれた。
「これで治らなかったら、明日ちゃんと病院へ行きなさい」
そんな騒動が一段落したその時、ドラマに出演していた子役の一人を見つけた正志が、鼻息荒く言った。
「あの子、めちゃくちゃ可愛いな。ちょっと話しかけてくるわ」
「おい、やめろって! 迷惑だよ!」
あんなやはるか、正男が必死に制止したけれど、正志はすでに獲物を狙うハンターのような足取りで、ドラマ撮影終わりの彼女の元へ一直線に突き進んでいった。
冷や冷やするような光景を背に、僕は絆創膏を貼った指を見つめながら、これから起きるであろう波乱の予感に、なぜか笑みがこぼれてしまった。
「すごい……いつも見てたものを、こうして生で見られるなんて最高だよな!」
隣であかりも「わーい! わーい!」と無邪気に飛び跳ねて喜んでいる。その姿を見て、正男がニヤリと僕を突いた。
「おい秋夫。あかりちゃんがいるのに、またドラマの子に心奪われて『あの子もいいな』なんて言い出すんじゃねえだろうな?」
その言葉に、あかりの表情が凍りついた。パシーン! と小気味よい音がして、僕の頭に強烈な一撃が飛んできた。
「わあ、あかり怒っちゃった!」
はるかやあんなが笑って見守る中、あかりはわーわーと泣き出してしまった。パニックになったあかりは、僕の手を思い切り噛んだ。指先に鋭い痛みが走り、小さな傷から血が滲む。
「ごめん……ごめんね……」
あかりは泣きながら、僕の噛んだ指を懸命に舐めてくれた。
「おい、秋夫……お前、今何を……?」
正志がドン引きした顔でこちらを見ている。正男がすかさず「おい、あかりちゃんは知的障害があるんだ。悪気があってやってるわけじゃないから」とフォローを入れたが、正直、僕の心境は複雑だった。指はズキズキと痛む。でも、あかりが必死に手当てをしてくれている温もりに、言いようのない興奮を感じてしまった。
騒ぎを聞きつけた佐藤先生が、いつの間にか横に立っていた。
「まったく、騒がしいわね。はい、これ」
先生は手際よく僕の指に薬を塗り、絆創膏を貼ってくれた。
「これで治らなかったら、明日ちゃんと病院へ行きなさい」
そんな騒動が一段落したその時、ドラマに出演していた子役の一人を見つけた正志が、鼻息荒く言った。
「あの子、めちゃくちゃ可愛いな。ちょっと話しかけてくるわ」
「おい、やめろって! 迷惑だよ!」
あんなやはるか、正男が必死に制止したけれど、正志はすでに獲物を狙うハンターのような足取りで、ドラマ撮影終わりの彼女の元へ一直線に突き進んでいった。
冷や冷やするような光景を背に、僕は絆創膏を貼った指を見つめながら、これから起きるであろう波乱の予感に、なぜか笑みがこぼれてしまった。

