朝の光は、昨日までの悪夢をかき消そうとするかのように残酷なほど眩しかった。民宿で迎えた朝食の席で、俺たちは互いの顔を見ては言葉を失った。あの人形の夢、そして親父が見た事故の夢。すべてが繋がっている確信があった。
宿を出てすぐ、近くの小さな神社へ足を運んだ。古びた社殿で神主にすべてを打ち明けると、神主は険しい表情でこう言った。「それは、その人形が引き寄せているものだ」と。
明里が小さな店で手に入れたその人形は、いわくつきのものだった。店主が「これがいい」と勧めたその人形は、一度客に売っても、何らかの異変を感じた客の手から逃げ出し、自らの足で元の店へと歩いて帰ってくるのだという。人形が帰ってくるたび、周囲に不吉な影を落としていたのだ。
「民宿でお化けが出たのではない。その人形を連れ込んだ明里の宿に、災いが持ち込まれただけだ」
神主の言葉に、明里はその場に崩れ落ちて泣いた。人形がただの物ではなく、自分の一部のように感じていたからだ。しかし、これ以上犠牲を出さないために、俺たちはその人形を叩き上げ、神社で正式に供養することに決めた。炎の中で人形が燃え尽きるのを、俺と遥か、そして明里は見守った。
その夜、俺たちはそれぞれの家に帰った。恐怖の記憶を抱えたまま眠りについたが、供養のおかげか、少なくともあの不気味な悪夢は消えていた。
後日、遥かと明里は再び別の店へ赴き、新しい人形を選んだ。今度は同じ過ちを繰り返さないよう、店で選んだその人形を、真っ先に神社の神主に持ち込んだ。神主の手によって清められ、ようやく明里の新しい人形として迎え入れられた。
新しい人形は、ただ静かにそこにいた。
以前のような、何かを呼び寄せるような気配はもうない。魂が入っていないかのように、ただの可愛らしい人形として。その静けさに、俺はどこか安堵しつつも、底知れぬ物足りなさを感じていた。今はまだ喋らない。だが、それが正常なのだと自分に言い聞かせていた。
宿を出てすぐ、近くの小さな神社へ足を運んだ。古びた社殿で神主にすべてを打ち明けると、神主は険しい表情でこう言った。「それは、その人形が引き寄せているものだ」と。
明里が小さな店で手に入れたその人形は、いわくつきのものだった。店主が「これがいい」と勧めたその人形は、一度客に売っても、何らかの異変を感じた客の手から逃げ出し、自らの足で元の店へと歩いて帰ってくるのだという。人形が帰ってくるたび、周囲に不吉な影を落としていたのだ。
「民宿でお化けが出たのではない。その人形を連れ込んだ明里の宿に、災いが持ち込まれただけだ」
神主の言葉に、明里はその場に崩れ落ちて泣いた。人形がただの物ではなく、自分の一部のように感じていたからだ。しかし、これ以上犠牲を出さないために、俺たちはその人形を叩き上げ、神社で正式に供養することに決めた。炎の中で人形が燃え尽きるのを、俺と遥か、そして明里は見守った。
その夜、俺たちはそれぞれの家に帰った。恐怖の記憶を抱えたまま眠りについたが、供養のおかげか、少なくともあの不気味な悪夢は消えていた。
後日、遥かと明里は再び別の店へ赴き、新しい人形を選んだ。今度は同じ過ちを繰り返さないよう、店で選んだその人形を、真っ先に神社の神主に持ち込んだ。神主の手によって清められ、ようやく明里の新しい人形として迎え入れられた。
新しい人形は、ただ静かにそこにいた。
以前のような、何かを呼び寄せるような気配はもうない。魂が入っていないかのように、ただの可愛らしい人形として。その静けさに、俺はどこか安堵しつつも、底知れぬ物足りなさを感じていた。今はまだ喋らない。だが、それが正常なのだと自分に言い聞かせていた。

