上松がカウンターで肩を震わせて泣きじゃくっていると、隣で飲んでいた常連の男が不機嫌そうにグラスを置いた。
「おい、何泣いてんだよ。場が白けんだろ」
男がそう怒鳴り散らそうとした瞬間、居酒屋の女の子が間に入り、常連に向かって早口でまくし立てた。
「ちょっとおじさん、やめてよ。この人たち、色々あって今すごく辛い時期なの。……わかるでしょ?」
その言葉に、強面だった常連の表情が少し緩んだ。彼は上松と、怯えた顔の俺たちを見比べ、鼻を鳴らした。
「……そっか。まあ、なんだ。そんなに泣きたいんだったら、とことん飲んで忘れちまえよ」
男はそう言うと、気前よく店員を呼びつけ、次から次へと酒を注文し始めた。
「ほら、今日はテキーラだ。ワインも空けろ。遠慮すんな、全部俺が奢ってやるからよ」
テーブルの上には、場違いなほど高級なワインボトルと、喉を焼くようなテキーラのショットグラスが並べられた。上松は驚いたように顔を上げたが、常連の男は豪快に笑って、上松のグラスにテキーラを注いだ。
俺と正夫は呆然とそれを見ていた。さっきまで居酒屋というだけで冷や汗をかいていたのに、今や知らないおじさんの奢りで、高校生が教師と一緒にテキーラを煽るという、狂ったような夜の宴が始まろうとしていた。
「おい、何泣いてんだよ。場が白けんだろ」
男がそう怒鳴り散らそうとした瞬間、居酒屋の女の子が間に入り、常連に向かって早口でまくし立てた。
「ちょっとおじさん、やめてよ。この人たち、色々あって今すごく辛い時期なの。……わかるでしょ?」
その言葉に、強面だった常連の表情が少し緩んだ。彼は上松と、怯えた顔の俺たちを見比べ、鼻を鳴らした。
「……そっか。まあ、なんだ。そんなに泣きたいんだったら、とことん飲んで忘れちまえよ」
男はそう言うと、気前よく店員を呼びつけ、次から次へと酒を注文し始めた。
「ほら、今日はテキーラだ。ワインも空けろ。遠慮すんな、全部俺が奢ってやるからよ」
テーブルの上には、場違いなほど高級なワインボトルと、喉を焼くようなテキーラのショットグラスが並べられた。上松は驚いたように顔を上げたが、常連の男は豪快に笑って、上松のグラスにテキーラを注いだ。
俺と正夫は呆然とそれを見ていた。さっきまで居酒屋というだけで冷や汗をかいていたのに、今や知らないおじさんの奢りで、高校生が教師と一緒にテキーラを煽るという、狂ったような夜の宴が始まろうとしていた。

