「おい、お前ら何がいいんだよ」
上松はグラスを叩きつけるように置くと、半ば呆れたような、それでいてどこか嬉しそうな目で俺たちを見つめた。正夫は店員を呼ぶと、迷わず言い放った。
「とりあえず、全員生ビールで!」
運ばれてきた黄金色の液体で、俺たちは無謀な乾杯をした。ジョッキが触れ合う鈍い音が、この夜の始まりを告げた。上松はビールを煽ると、教師の顔に戻ったのか、あるいは酔いのせいか、少しトーンを落として問いかけてきた。
「お前ら、最近どうなんだよ。学校のほうは」
上松は俺の顔をじろりと見て、ニヤリと笑った。
「おい、秋夫。お前、あかりと付き合ってんだってな。……うまくやってんのか?」
俺はビールの泡を口元に残したまま、少し気まずそうに頷いた。その隣で、正夫がニヤつきながら上松に切り返す。
「おいおい先生、俺たちのことより、先生の方はどうなんですか。あかりの母親とは、うまくやってるのか?」
その問いに、上松の表情が微かに揺れた。彼は視線をグラスの中に落とし、溜め息混じりに呟いた。
「……ああ、うまくやってる、と言えば行ってるんだけどな。だけど……」
上松の肩が、ふと小さく震えた。
「俺は、あかりの家に行って、泣いてしまったんだよ。あかりの母親の前で、情けねえ大人が……情けなくて、どうしようもなくて……」
さっきまでの不敵な笑みはどこへやら、上松はそのままカウンターに突っ伏し、獣が喉を鳴らすような声で、わあっと泣き出した。店内に、男の情けない泣き声が響き渡る。居酒屋という騒がしい場所で、俺と正夫はただ黙って、泣き崩れる「変態教師」の背中を見つめるしかなかった。
上松はグラスを叩きつけるように置くと、半ば呆れたような、それでいてどこか嬉しそうな目で俺たちを見つめた。正夫は店員を呼ぶと、迷わず言い放った。
「とりあえず、全員生ビールで!」
運ばれてきた黄金色の液体で、俺たちは無謀な乾杯をした。ジョッキが触れ合う鈍い音が、この夜の始まりを告げた。上松はビールを煽ると、教師の顔に戻ったのか、あるいは酔いのせいか、少しトーンを落として問いかけてきた。
「お前ら、最近どうなんだよ。学校のほうは」
上松は俺の顔をじろりと見て、ニヤリと笑った。
「おい、秋夫。お前、あかりと付き合ってんだってな。……うまくやってんのか?」
俺はビールの泡を口元に残したまま、少し気まずそうに頷いた。その隣で、正夫がニヤつきながら上松に切り返す。
「おいおい先生、俺たちのことより、先生の方はどうなんですか。あかりの母親とは、うまくやってるのか?」
その問いに、上松の表情が微かに揺れた。彼は視線をグラスの中に落とし、溜め息混じりに呟いた。
「……ああ、うまくやってる、と言えば行ってるんだけどな。だけど……」
上松の肩が、ふと小さく震えた。
「俺は、あかりの家に行って、泣いてしまったんだよ。あかりの母親の前で、情けねえ大人が……情けなくて、どうしようもなくて……」
さっきまでの不敵な笑みはどこへやら、上松はそのままカウンターに突っ伏し、獣が喉を鳴らすような声で、わあっと泣き出した。店内に、男の情けない泣き声が響き渡る。居酒屋という騒がしい場所で、俺と正夫はただ黙って、泣き崩れる「変態教師」の背中を見つめるしかなかった。

