バスルームのドアが勢いよく開き、湯気の向こうからあかりのお母さんの姿が現れた。突然の闖入に、僕たちは心臓が止まるかと思うほど驚き、反射的に互いの体を隠そうとした。
「あんたたち、ずいぶんお風呂が長すぎるんじゃないの。中で何やってるのかと思ったら……」
お母さんは呆れたように、しかしどこか見透かしたような、温かな眼差しで僕たちを見つめた。湯船の中、濁ってしまったお湯を見て、お母さんは「ああ、やっぱりね」と小さく笑った。
「やっぱり、二人とも青春してるわね。私の思った通りだったわ」
叱責されると身構えていた僕の肩から、ふっと力が抜けた。お母さんは僕たちを拒絶するのではなく、むしろその「乱れ」を、若さゆえの止められない衝動として受け入れてくれているようだった。
あかりは少し顔を赤らめながらも、僕の手をぎゅっと握りしめていた。そんな二人を見て、お母さんは柔らかい口調でこう告げた。
「あかりが幸せなら、それでいいわ。学校にも内緒にしておくし、あなたのお父さんにも何も言わない。今のあなたたちに、余計な騒音は必要ないものね」
その言葉は、まるで僕たちに「二人だけの楽園」を許すという、聖なる宣言のようだった。お母さんは静かにドアを閉め、僕たちを残して去っていった。その足音が遠ざかると、浴室には再び静寂と、先ほどまでの熱気が戻ってきた。
「……よかった。お母さん、わかってくれてたんだね」
あかりが安堵のため息を漏らし、僕の胸に顔をうずめる。僕は彼女の濡れた肩を抱き寄せた。世間のルール、学校の規律、そして父親の無関心――そういったすべてから切り離されたこの浴室は、僕たちにとって本当に「王国」になったのだと実感した。
お母さんの言葉は、僕たちに「大人の公認」という隠れ蓑を与えてくれた。これで、僕たちは明日からも、この家で堂々と愛し合うことができる。
「僕たち、本当に守られてるんだね」
僕はあかりの髪を丁寧に拭きながら、そう囁いた。お母さんの優しさは、僕たちの物語をより強固なものにしてくれた。窓の外では雨が降り始めたのか、屋根を叩く微かな音が聞こえる。でも、今はどんな雨も僕たちを濡らすことはできない。
僕たちは湯船から上がり、新しいタオルで互いを包み込んだ。今夜は、これからあかりの部屋で、誰にも邪魔されることなく、静かな二人だけの夜を過ごすことができる。この小さな家の温もりが、僕たちの唯一の真実として、夜の闇の中に浮かび上がっていた。
「あんたたち、ずいぶんお風呂が長すぎるんじゃないの。中で何やってるのかと思ったら……」
お母さんは呆れたように、しかしどこか見透かしたような、温かな眼差しで僕たちを見つめた。湯船の中、濁ってしまったお湯を見て、お母さんは「ああ、やっぱりね」と小さく笑った。
「やっぱり、二人とも青春してるわね。私の思った通りだったわ」
叱責されると身構えていた僕の肩から、ふっと力が抜けた。お母さんは僕たちを拒絶するのではなく、むしろその「乱れ」を、若さゆえの止められない衝動として受け入れてくれているようだった。
あかりは少し顔を赤らめながらも、僕の手をぎゅっと握りしめていた。そんな二人を見て、お母さんは柔らかい口調でこう告げた。
「あかりが幸せなら、それでいいわ。学校にも内緒にしておくし、あなたのお父さんにも何も言わない。今のあなたたちに、余計な騒音は必要ないものね」
その言葉は、まるで僕たちに「二人だけの楽園」を許すという、聖なる宣言のようだった。お母さんは静かにドアを閉め、僕たちを残して去っていった。その足音が遠ざかると、浴室には再び静寂と、先ほどまでの熱気が戻ってきた。
「……よかった。お母さん、わかってくれてたんだね」
あかりが安堵のため息を漏らし、僕の胸に顔をうずめる。僕は彼女の濡れた肩を抱き寄せた。世間のルール、学校の規律、そして父親の無関心――そういったすべてから切り離されたこの浴室は、僕たちにとって本当に「王国」になったのだと実感した。
お母さんの言葉は、僕たちに「大人の公認」という隠れ蓑を与えてくれた。これで、僕たちは明日からも、この家で堂々と愛し合うことができる。
「僕たち、本当に守られてるんだね」
僕はあかりの髪を丁寧に拭きながら、そう囁いた。お母さんの優しさは、僕たちの物語をより強固なものにしてくれた。窓の外では雨が降り始めたのか、屋根を叩く微かな音が聞こえる。でも、今はどんな雨も僕たちを濡らすことはできない。
僕たちは湯船から上がり、新しいタオルで互いを包み込んだ。今夜は、これからあかりの部屋で、誰にも邪魔されることなく、静かな二人だけの夜を過ごすことができる。この小さな家の温もりが、僕たちの唯一の真実として、夜の闇の中に浮かび上がっていた。

