「え!? 変かなぁ」



海月はショックを受けたような顔に涙をためて,体操座りをした足に顔を埋めてしまった。

私はどうにかしなければと小さな頭を働かせるが,何も言えなかった。



「海月が1番身近だと思ってたのに……どうしたらいい?」

「えっ」



もしかして



「本名じゃないの? 偽名? ってやつ?」



それなら少しだけ,安心。



「うん,そんな感じ。だけどもうすぐ本名になるから,ちゃんと考えなくちゃいけないの」



変な子。

私はそう思った。



「じゃあ,みつきとかって読めば…可愛いんじゃない?」



真剣に考える海月(くらげ)に,私はそう言った。

少しぶっきらぼうになってしまったけど,仕方ない。

女の子の慰めかたなんて,知らないのだから。