私はじーんと,心が温まるような歓びを感じた。



「でも」



と海月が言う。

私は不安になって,ピクリと反応した。



「簡単には,何度も逢えない。私たちは。だけど,本当に逢いたいと思った時,寂しくなったときに,きっと逢える」



確信めいた,海月の言葉。

疑う余地なんて,一片もない。



「うん,うん!」

「次はきっと私から」



えへへというその笑顔は,ずっと変わらない,海月の笑顔。



「あーもう! お姉ちゃんうるさい! どうせ紹介しろって言うんでしょ?! また今度ね!」



突然目を閉じて叫ぶ海月。

どうやらお姉ちゃんに呼ばれているらしい。



「ごめんね,薫。本当にもう行かなきゃ」