「本当?」

「うん。嘘じゃないよ」

「分かってる。だって薫は嘘つかない」



海月はうふふと笑う。



「だって,私の名前はすぐ変だって言った」

「それは,もう…いいでしょ?」

「うん。素敵な名前をありがとう。一生の宝物。学校で沢山呼ばれるのが楽しみ」



まさか,あれが本当にそのままの意味だとは思わなかった。

本当にいいの? と聞いてしまいそうになる。



「これ,あげる」

「え?」



私の手のひらに乗せられたのは,海月の尾びれと同じ色の,ピンク色の宝石。



「シーグラス,ガラスで出来てるの。今日拾ったばかりのもの」

「いいの?!」

「うん。だから,忘れないでね,私の事」