ポケットの中のおもいで

困った私は,



「海から探そう」



と,浮き輪を片手に海へ入った。

もう海は,怖くない。

プカプカ浮いて,浜辺を一心に見つめる。

どこ? 海月。

なかなか見つからない。

浮き輪,海月がいないと楽しくないよ。

私は一生懸命に目を凝らした。

なんだかどんどん人が小さくなっている気がする。

どうにも同い年の子供1人見つけるのは難しい。



「見つけた!」



私がふらふらしていた海月を見つけて声をあげると,視線に気づいた海月が私を見る。

そして,とても驚いた顔をした。