ポケットの中のおもいで

楽しいのを見抜かれた,と言う恥ずかしさ。

私は小さな声で,「うん」とこたえた。



「えへへ,じゃあ次は…埋まってみる?」

「埋まる?」



私は驚きを隠せない。

でも,周りを見渡して…



「あ…あの人達,埋まってる」



本当にそんな人がいた。



「どう? 1人じゃ出来ないよ!」



そんな言葉に誘われて,私は埋まった。



「ちょっと! なんで足とんがってるの」

「格好いいでしょ?」



そんな海月の悪ふざけに,2人で笑った。

海月の助けも借りながら,私は起き上がる。

砂だらけの全身をみて,また笑いが込み上げてきた。



「あははっ薫おかしい…ふふっ海で落とす?」