ポケットの中のおもいで

ちょっとだけ,興奮でうわずった声。

恥ずかしくてはっとすると,海月は続けた。
「2人なら,もっと大きいのが作れるよ!」

「……やりたい」



どうしよう。海,すっごく楽しい…!

私は夢中になって,海月とお城を作った。

時々崩れて,ようやく出来たお城。

なのに海月がお城なのに穴を開けると言い出して,仕方なく2人で掘っていく。



「これなぁに?」

「お城の入り口」

「え?? でも,壁突き抜けちゃっていいの?」

「はっほんとだ!?!」



海月は頭がいいのか悪いのか,よく分からない。



「ふっ…あは,あははは…ふふっ」

「お,笑った!」

「え?」

「薫,やっと笑ってくれた! 笑顔はあったけど,そうゆうのじゃ無かったから。楽しい?」