一年生から三年生まで、衣装は共通でウエディングドレスとタキシードらしい。当日は審査員がくじを引いて、それに沿ったお題を人前で披露すると言う。
文化祭は九月。体育館だとしても絶対に寒い。“上着必須”と渡された紙の端っこに書いておいた。
由良くんに頼らずに頑張ってみるのが、文化祭での私の目標。
逆に上着を掛けてあげられる私になりたい。由良くん、上着忘れてきてくれないかな。
...違うよね。
ブンブンと顔を振って冷静になろうとする。自分でも思っている意味が分からなくなってきた。
二十分の集まりが終わって、揃って皆が教室から出ていく。
「桜名さん、俺らあんまり話したこと無かったよね。最上夏音っていいます、よろしくね」
「うん、最上くんのこと知ってるよ。格好良くて目立つから。えっと、桜名弥衣です、お願いします」
私と同様、周りの人がいなくなってから席を立とうとしていた最上くんに頭を下げた。
「結婚式(仮)やる仲だし、名前で呼んでいい?俺も夏音って呼んで!気に入ってるから」
自分の名前気に入ってるって言える人、なんか良いなあ...
人懐っこい笑顔につられて笑顔で応じた。



