エンドロールの先でも君を恋うから


「...あ、あの!」


ガタッ!と音を立てて立ち上がった女の子。確か、手芸部の楠(くすのき)さんだったはず。



「私、今年グランプリの衣装を担当するんです!
ウエディングドレスの下書きをしたんですけど、これを着てもらうなら桜名さんが似合うなって、思っていて...」



楠さんは人前で発言するのは得意じゃないだろうし、こんなに大きい声を出すなんて初めて知った。


…ウエディングドレス?


「雰囲気ぴったりで!きっと桜名さんが出たらグランプリ取れます!絶対です!」


「わかるかも、似合いそう…」


「あんまり見たことないペアだけど...うん、夏音の隣にいても違和感無いよね」



聞こえてくるのは好意的な意見ばかりで少し流されそうになるけれど、結局私は私。緊張で爆発したっておかしくはないのだ。



やっぱり楠さんの勇気とウエディングドレスを人前で着るのは別問題。



楠さんには申し訳ないけど...



“由良くんの為になるような、優羽が褒めてくれるような、私が成長できるような何か。”


“───なにかの行事で弥衣が中心になって頑張ること。”



...あ


これ、かも。


これだよね?



今まで一言も発言せずになんのことやらと下を向いていた私の頭には、夢宵桜のノートが浮かんでいる。