エンドロールの先でも君を恋うから


全開にしていた窓から涼しい風が入り込んで、少しの髪をなぶらせ、緩んでいた束からそろりと落ちていく。



いつの間にか横にいた彼は溢(あぶ)れたその髪を梳くように耳にかけた。直後、我に返るようにぱ、と手を離す。



その時、もう二人からすっかり甘い匂いが溶けていた。



「星、もうすぐ七夕だしその日に学校の屋上でどう?どうせなら綺麗なの見たいし」


「天の川?」


「ロマンチックなの好きでしょ桜名さん。まあ見られるかは微妙だけど」



一年に一度、夜空に星の川がかかる日。



たとえその日が曇っていても、織姫と彦星が会えますように、って願いながら空を見上げている。



七夕に願い事を叶えてくれるのって誰なんだろう。



「で、その日まで時間空くけどどうする?星見るのは決まってるからページめくるのもありだと思うけど」



そうだ、七夕まであと二週間くらい空くんだ。きっと由良くんが忙しくなってくるのは七夕が終わってから。



だとしたらノートの事でべったりくっついて頼るわけにもいかないし、私も何か役に立てることをするって決めている。



「...今から5番目を読んで、叶えられたとしても次にめくるのは由良くんのタイミングにしたいな」


「桜名さんが良いなら」