エンドロールの先でも君を恋うから


「弥衣にも心の余裕が出てきたんだね」


「余裕…」


「一人で歩くのって話す相手がいない分色々考えることも多くなるし、それがどんどん嫌な方に進んでいって周りが見えなくなることもあるじゃない?」



確かに、あの日の朝は歩いていて映画の事なんてこれっぽっちも考えていなかった。



次の願い事はなにかな、最後にはなにが書いてあるんだろう、とか。



未だに優羽に会いに行けない私に自己嫌悪して、ノートが足枷のように感じて、全身が重たくなるほどだった。



「でも由良が居ると嫌なことが飛んでいって周りに気を配る余裕みたいなものが出来るのかも。
...何があって由良と知り合ったのかは知らないけど、きっと弥衣がそうなれるのは由良だけなんだね」



「────今の弥衣の心の拠り所が、由良だってこと」



由良なのが悔しいけど!と私をぎゅっと抱きしめるから、「月ちゃんのことだって大切だよ」と手に力を込める。



月曜日、由良くんも瑞星くんも教室にいない時に月ちゃんに相談すると、スラスラと答えが返ってきた。



カンニングしているような悪い気持ちになる。



でも絶対に私ではその答えに辿り着けなかった。