エンドロールの先でも君を恋うから


「弥衣ちゃん、どこか……」



パシン



瑞星くんの手の甲が私の頬に触れそうになると、不機嫌を隠そうとしない彼の右手に遮られる。



「...秋頼、痛い」


「痛くしてんの。事の重大さをわからせてやろうと思って」


「...なにか疑ってるみたいだけど、秋頼の思ってるようなことじゃないから」



どうだか、と薄ら笑いで答えると、私の目の前を陣取る。過保護で過保護。



むすりとした表情はともかく、やっぱり彼も上着を纏っていて、この場にいるのが恥ずかしく感じてきた頃だった。



今から走って取りに戻ろうか、いや私の足では映画に間に合うか分からない。あ、やめよう。



頭のなかで一瞬にして終わる帰宅計画は、こちらを振り返っていた由良くんに怪しい顔を浮かべたところで破綻した。



考えていることすべてが文字に出ていて、読まれている気分になる。



だとしたら一応頭に浮かべておくけれど、瑞星くんは、どこか中に入って待ってようかって言おうとしただけなんだよ。



まあ多分彼は超能力者ではないので、しかし瑞星くんがそんなことをするなんて思ってもいないだろう。



信頼関係というやつだと勝手に納得した。