土曜日。
小鳥のさえずりなんかでは起きられない私は五分おきになる目覚ましを見たとき、柄にもなく叫んでしまいそうになった。
五分十分なんて可愛いものではない寝坊をし、ベッドから飛び起きるというのが今朝のお話。
「あ、瑞星くんおはよう、早いね」
「おはよう。弥衣ちゃんこそ、集合時間まであと二十分もあるよ」
待ち合わせの時計台の下にいたのは、空気が澄むような、そんな爽やかな笑みを浮かべた瑞星くん。
先週くらいから苗字呼びが名前呼びに変わって、呼ばれる度、呼ぶ度に、少しくすぐったい気持ちになる。
「今日は来てくれてありがとう」
「俺映画好きだから楽しみだよ、秋頼はすぐに寝るけど」
「ふふ、由良くんも言ってた」
二人きりでいるのは初めてに近いけれど、聞き上手で、眠たくなりそうな包容力がある。
…私が眠たいだけかもしれない。
「服可愛いね、制服しか見たことないから新鮮」
「あ、ありがとう。瑞星くんも格好いい、ね?」
シンプルなデザインのワンピースを選んだ今日は六月なのに寒くて、また服選びに失敗してしまったことを肌で感じる。
対して瑞星くんは手に上着を持っていて、余計に私の格好が寒く感じた。



