エンドロールの先でも君を恋うから


何十種類と並列された飲み物の中から、なんとなくラベルに惹かれてピーチティーを手に取ると、同じ段の無糖の紅茶に向かって伸びる由良くんの手。



「楽しむだけでいいよ、まあ俺映画寝ちゃうから楽しめるかもわかんないけど」



イメージぴったりだったことは言わないでおこう。



こんなこと月ちゃんが知ったら「由良は行く資格無し!」だとか言いそうだ。



それよりも私が気になったのは、今ちょうどカゴに入った片方のペットボトル。



「由良くんって、甘いの苦手?」



パフェを食べた時から甘いものが好きなんだって思い込んでいたけれど、それから学校で甘いものを食べているのは一度も見かけない。



瑞星くんの「チョコレート食べる?」に頷いた所も見たことがない。



「間違えた」


「そんなに大きく無糖って書いてあるのに…?」


「───はは、二重人格ってことにしておいて」



聞き返そうと口を開くと、私からわざとらしく目を逸らして月ちゃんのほうへ向かう。



パフェを食べに行った日の由良くんと、今コンビニで無糖の紅茶を手に取った由良くんは別人格…?



コンビニを出る時には考えごとがひとつ増えていた。