言葉を続けようとする先生よりも早くこちらに腕が伸びてきて、私の耳を塞いだ。
決して弱い力ではなくて、顔が縦に長くなってしまうくらいの、本当に聞かれたくないんだって分かる強さ。
由良くんと先生が言い合って、騒がしい光景のはずなのに、何も耳に入らないことが変に感じる。
一人だけ違うところにいるような、入ってはいけない線が引かれているちょうどのところで動けないような。
「どうしたの」
手が離れて由良くんの声が耳に届くようになると、ほっと胸を撫で下ろす。
由良くんは私を、周りを、よく見ている。
今だって、寂しさを感じる前に気づいてくれた。月ちゃんと屋上で話した時だって、さっき体育館に閉じ込められた時もそう。
まるで私の心が見えてるみたいに。
だからかな、私も由良くんの心の中に触れたいって思った。
今よりもっと近づけば、由良くんが隠している何かを教えてくれる?
思い違いかもしれない、むしろそのほうがいいと思っている、けれど。



