エンドロールの先でも君を恋うから


答えが出ないまま時間は過ぎていって、考えるのをやめたのは再び体育館の扉の鍵が聞こえた時。



「お待たせ弥衣〜。
由良!アンタが付いていながらよくも弥衣を……」


「ううん違うの月ちゃん、これは私が悪いっていうか…」


「桜名さんが俺のバスケしてるところ独り占めしたかったんだって」



話がややこしくなるのを分かって言ってる由良くんに、ほんの少しむっとした口の形になる。



気づいた彼は床にあったノートを拾って、表紙を私の唇ら辺に軽く押し付けた。



「そういう口になっちゃいますよー」



誰のせいですか、と口を開こうとしたけど、その前に言わなくちゃいけないことがあった。



「月ちゃんありがとうね、お家にいたのにごめんね」


「ありがとう芹沢」


「ふふん、来るのなんて当たり前でしょ?まあ、由良にはそれ相応のお礼はしてもらうけどね」



無事に体育館の外に出られた私たちは、月ちゃんが鍵を返しにいってくれたあと、お礼にコンビニで好きなだけお菓子を買うことになった。



由良くんだけなのは申し訳ないから、とコンビニに着くまで月ちゃんと交渉して、三割払わせてもらえることに。



繰り返しになるけれど、由良くんは本当に何も悪いことはしていない。