「ハッピーエンドって、人それぞれだよ」
「え?」
「結ばれたからってそれが幸せかは本人次第だし、その人と結ばれなくてもそれがハッピーエンドだって言う人もいる
桜名さんがそうだって思うならそれはハッピーエンドだよ」
これは映画の話、フィクション。わかってる、なのに。
由良くんの真っ直ぐな目と、私の中にあるものが全部敵になったような嫌な感覚。
……優羽の傍にいることが私のハッピーエンドなら、優羽は?
私の幸せイコール優羽の幸せ、だと思い込んでいたのかもしれない。
夢宵桜のノートに、来てほしいなんて書いてはいなかった。
わざと、書かなかったのかもしれない。
「…由良くんのハッピーエンドは?」
「内緒。桜名さんが教えてくれるならいいよ。
でも桜名さん今は答え出ないでしょ、顔に書いてある
人がどうかじゃなくて、自分がどうなりたいかだよ。優羽さんじゃなくて、桜名さんがってこと。」
私はどうなりたい?
……全然浮かばない。優羽しか出てこない。



