「そうだ、私櫻木君にもメッセージ送れるよ」
「…なんで?」
少し眉をひそめた由良くんに首を傾げる。
なんで、って知り合った人と連絡先を交換するのなんて普通のことじゃないか。
あ、でもその時由良くん、クラスの違う子に呼び出しされててその場に居なかった時かも…
「由良くんが告白されてる間に交換したんだよ」
「なんで知ってんの…」
私を見つめる瞳が一瞬見開いて、もっと豪快に眉をひそめてそう言った。
廊下で呼び止めたあの子の顔を見たらすぐにわかった、由良くんは気だるげだったけれど。
今までも沢山あったのかな。
素敵な人の魅力に気づけるのは素敵な人だって聞いた事がある。
同級生にも、先輩後輩も、由良くんを好きな人はきっと素敵な人が多いのだろう。見なくてもわかってしまう。
「とりあえず月ちゃんに電話してみようかな…今日何も予定ないって言ってたし」



