エンドロールの先でも君を恋うから


初対面の人に対して、野郎に様を付ける子なんて月ちゃんくらいだ。



警戒心むき出しなのが伝わる。



もう少し順を追って話せばよかったな…



「ははっ、とっても印象悪そうだね。うん、僕が弥衣を口説いた香原優羽です。宜しくね芹沢さん」



最初こそ月ちゃんはバチバチした視線を送っていたものの、優羽と話す度に打ち解けていって、優羽のお見舞いにも一緒に行ったこともある。



いつもの調子で優羽と会話していても、心配混じりだったのが微笑ましくて、嬉しくて。



月ちゃんは素直じゃないから、優羽の調子があんまり良くないのを知って「バイトだから帰る」なんて理由で、席を立ったり。



大人びているけど可愛くて、芯が通っていて真っ直ぐで、私の目印のような人。



月ちゃんが隣にいてくれるだけで安心する。



私がもし一つだけ自慢するなら、月ちゃんと出会えたことだって言う。



だから、私も月ちゃんにそう思ってもらえるようにしてきたつもりだった。