エンドロールの先でも君を恋うから


普段お母さんはスタンプを使ったりはしないけど、きっと私が外に出たことに安心したんだと思う。



文字を打ちながらニコニコしているお母さんが頭に浮かんでほっとした。



睦季は私の弟で、今年中学三年生になった。



家族思いの優しい子で、ぶっきらぼうだけど反抗期みたいなものは無かった気がする。



私が閉じこもっている間も、「部屋にいるのはいいけど俺がノックしたら必ず返して」と隣の睦季の部屋から、三回のノック音が一日に何回か聞こえてきた。



精神年齢はきっと私よりも上、先に生まれてくるべきだったのは睦季のほうなのかもしれない。



「今日は何から何までありがとう、由良くん」



そうお礼を言って、改めて頭を下げたのは駅のホーム。



「こちらこそありがとう」


「ありがとう…?」


「今日、死なないでくれて。
桜名さんと出会ったおかげで普段男だけで入れないような店でパフェ食えたし、“特に変わらない一日”が“ちょっと楽しい一日”に変わった」