それから数分して予想よりも大きなパフェがテーブルに置かれた。
由良くんのパフェは盛りだくさん過ぎて、由良くんの顔も隠れてしまうくらい高くなっている。
「いただきます……あ、美味しい」
だろ?とまるで自分が作ったかのように得意げな顔をする。
由良くんは目の前の大きいパフェを黙々と食べ進めて、私が次に口を開いた時にはもう入れ物の縁ぐらいまで無くなっていた。
「今頃だけど、パフェって胃には重いかもしんないね」
「ううん、大丈夫だよ、甘いもの好きだから」
「ちゃんと飯食ってたの?」
「うん、家族が毎日ご飯を部屋の前に置いておいてくれて…でも、食べない日もあって…たくさん迷惑かけてる」
毎日部屋の前で話しかけてくれたお母さん。私はとにかく誰とも顔を合わせたくなくて、その扉も開けることが出来なかった。
今日だって誰にも言わずに置き手紙だけで出てきて…
帰ったらお母さんに謝らないと。



