エンドロールの先でも君を恋うから


由良くんはお話が上手で、さすが委員長って思う。



今こんなに自分が笑えたなんて、知らなかったな。



…私、優羽がいなくなっても笑えたんだ。涙と一緒に消えちゃったんだと思ってたのに。



なんでだろう。優羽が遠くなったような気になるの。



こうやって笑っていたら私はいつか、優羽がいなくても平気になるんじゃ…?



“時間が弥衣を進ませてくれる、忘れるとはまた違う。人ってそういう風にできてるんだよ。”



いつか優羽がそう言っていた。



そうだ、一年前私が飼っていた猫が死んでしまった時。泣いていた私に、優羽が横で独り言のようにそう呟いた。



…私の中で優羽が過去になっていってるってこと?



そんなの駄目。私と並んでいてほしいのに。私は前に行きたくない、止まりたい。



嫌だ、いやだよ…



「桜名さん、今何考えてるのか知らないけど、まだ始まったばっかだよ。焦らなくていい」



手が伸びてきて、セーターの袖口で私の頬を拭う。
私は泣いていたらしい。



「……うん」


「ほらそろそろパフェくるだろうし、泣き止んでくれないとカスタムパフェの中身で喧嘩したカップルだと思われるよ」


「…それは無いかも」