エンドロールの先でも君を恋うから


由良くんからは出てこないイメージだった単語がたくさん出てきてつい口を挟んでしまう。



当たり前かのように「好きー」とだけ返事をしてまた選び出した彼と、私の持っていた彼のイメージが合わなくてなんだか変な気分。



「…桜名さんの柔(やわ)い声で話しかけられたから気抜けて頼むもの忘れたんだけど」


「…ふふ、ごめんね、ゆっくりどうぞ」



少しムッとして言う理不尽な彼に笑いが零れた。



久しぶりに笑った気がする。



最後に笑ったの、いつだっただろう。優羽の病室で話していた時かもしれない。



「桜名さん笑った」


「そんなに驚く?人間だし、笑うよ
由良くん私決まったけど、どう?思い出せそう?」


「…まあ何とかなるだろ」



パフェを待つあいだ、たくさん由良くんの話を聞いた。



甘いものが好きになったのはつい最近だとか、三月生まれなのに名前に秋がつくのは名付け親が両親じゃないからだとか。