雨のあがった世界は新しく見える。知らない景色を見ているみたいだ。



桜、地面、誰かが捨てたペットボトルでさえ輝かせてしまうのだから、水というものはもっと胸を張っていいと思う。



まあどれだけ雨が降ったって、世界が新しく見えるような気がするだけで、根本は変わらないわけで。



雨が通り過ぎたからって片想いの相手が振り向くことなんて無いし、失ってしまった人が戻ってくることも無い。



そんなやり直しの効かない世界で私たちは生きていかないといけないのだ。



でも私の愛するあの人は、そんな世界だからこそ好きなんだと春のように愛しく笑うだろう。




『今作では過去に戻るという難しい役柄を演じていらっしゃいましたが、もし今手に入るならそんな力が欲しいと思いますか?』



『...やり直しが無くても、この世界には僕の大切な人が沢山居ます。その人の隣で笑う為に、守るために生きます。下を向いたら、見えるものも見たいものも分からなくなってしまうから。』