「ピンク色のスターチスは、“変わらぬ心”。それと、“永久不変”だよね」
「...ここに優羽がきてから、一週間に一回、来てた。
優羽の夢を叶えるために、弥衣を救うために。あと、そう願う自分の心が揺らがないように」
土曜日。
夏休み前に見せてもらったスケジュール帳には、全ての土曜日に印がついていた。
あの日から許されないことばかりしている。
腹が立つ、よりももっと上の感情。戻れない過去にひどく苛立って、超えて、涙が滲む。
由良くんの手を降り始めた雪よりも先に触れる。下唇を噛んでいた私を止めるように、口元に優しく指を押し当てた。
「俺が壊れなかったのは弥衣のおかげ。弥衣が柵の向こう側を選ばなかったのは、優羽と俺の“桜名弥衣”を想う気持ちのおかげ」
「...でも、わたし、救うって思ってたのに!由良くんにも優羽にも、なにもしてない!」
「生きてくれたよ」
優羽が震える手であの夢宵桜のノートを書いたこと、自分が今にも消えてしまいそうなのに持っているもの全てで私を引き戻してくれたこと。
月ちゃん、瑞星くんに、夏音くん。
今日が始まり。優羽もそれでいいって許してくれる?



