目に映るのは寒冷な灰色と雲ひとつ浮かばない青色。その中に咲くピンク色をした花は私を待っていてくれたように見えた。
「由良くん、お水ありがとう。.....大、丈夫?」
「...あー、ごめん」
今まで、どれだけ間違いを選択してきたんだろう。毎晩考えた、どうしたら私が由良くんを救えるのか。
優羽がいなくなってから「俺が桜名さんを救う」と頭に詰め込んだ。何度も何度も。
私が消えてしまいたいと泣いていた時も、由良くんは私ばっかりだった。
自分の気持ちを置いてきてしまうくらいに。
文化祭で「生きたい」と言ったあの日。私を見る目は色んなものが混じっていた。
私の答えが決まった瞬間から、これからは私が由良くんを救うって決めた。
「由良くんは、この日をずっとずっと待ってくれてたんだよね。
...ねえ、教えて。その涙、いつから我慢してくれてたの?私は何回由良くんを傷つけた?」
ポタ、ポタ、とその目から収まらなかった涙は、由良くんのコートに沈んで消えていく。
私の言葉に肩を揺らして、赤く悴んでいる右手で目元を隠した。



