お葬式にも、ここにいる優羽に会いにも来なかった薄情者なのに、どうしてこんなに優しさをくれるの?
背中を押した手は未だに私を支えてくれている。怖い気持ちで埋まりそうになるのに、由良くんだけは消えない。
「...ふふ」
「あずささん?」
「優羽が言ってたの。必ず弥衣は秋頼と一緒にここに来るよ、って。当たりだったね」
「あいつ、未来でも見えてたんじゃねえの」
話したいことが山ほどある。あずささんはそう言って「お昼は一緒に食べよう」と見送ってくれた。
優羽の家から少しの坂道を上ると、白い看板が見えてくる。誰かが定期的に手を入れてくれているような、雑草のひとつも見当たらない綺麗な場所。
「水汲んでくるよ」
「...あ、うん、先に行ってるね」
ある程度の場所は教えてもらって、ひとつずつ名前を見てゆっくり歩く。
何を話そう、上手く話せるかな。
ここにくるってわかってたなら.....どんな話をするのかも、想像したの?
優羽は、何が聞きたいかな
───あった。
“香原”
花立てには、凛としたピンク色のスターチスが飾られている。ここに来る前に色々調べていたから、この花に見覚えがあった。



