ここの場所はどうせ芹沢にでも聞いたんだ。俺には強く当たって文句は溢れるくらいに言うくせに、どうにも瑞星には弱い。
そのか弱い部分、俺に対しても百分の一くらいは向けてくれてもいいんじゃないか。
そう言ったら、何かしらのノートを丸めて叩かれそうだけれど。
「これが百分の一の強さで〜す」だとか言って、いつもの五倍ほどの攻撃を受けるかもしれない。
弥衣、止めてくれるかな。
「秋?」
「悪い、芹沢のこと考えてて...」
しまったと弁解の言葉を付け加えようとしてももう遅い。痛いくらいの視線だけで、瑞星の言いたいことが全てわかる。
さっさと芹沢に伝えたらいいのに。二人を見ている側としては、早く言え、とため息をつきそうな状況。
どうせ両想いなんだから教えてあげればいい、なんて口を開こうとする少し前、弥衣に止められた。
『由良くんから言うよりも、瑞星くんが告白するほうが嬉しいに決まってるよ』
芹沢だったら、の話だけれど、なんとなく少し落ち込んだのは黙っておく。
好きじゃない人から受ける告白は嬉しくない?
由良くんの告白なんて嫌だって思うのか?



