エンドロールの先でも君を恋うから


優羽の代わりにカフェでバイトするようになったのは、つい最近、共通の友人に誘われたのがきっかけ。



別にそこは隠しているつもりは無くて、偶然を装うことだってできる。



...と思っていたけれど、俺の顔が強ばっていたのか、桜名さんは必要以上に踏み込んでは来なかった。



聞かれなくてほっとした自分もいたり。



どこまで気づいてるのか。



桜名さんは、なにか言いたそうに口を開く度、はっとして唇を噛む。



こんな顔をさせているのは、優羽か、それとも俺なんだろうか。



時々、いや常々、そんな彼女との間にある壁みたいなものを壊したくなる。



だけど、まだ。彼女が生きる為の自信を、希望を、見つけてあげないと。



「───ハロー店員さん、今日何時上がりです?」



突然聞こえた正面からの声で、考え事だらけで仕事を隅に置いていたことに気づく。言葉の意味を理解したのは、顔を上げてからだった。



注文する飲み物の名前ではなく俺を口説くかのように話しかけたのは、ついさっきまで顔を合わせていた男。



「なんでここにいるんだよ、瑞星」


「勘、かな?
そろそろ秋の“隠し事”、教えてもらえたらなって。秋だってそう思ってただろ?」


「...あと三十分。飲み物でも頼んで待ってて」