エンドロールの先でも君を恋うから


寂しそうな顔をして手を振る弥衣のそばから出来るだけ離れたくはない。



絶対に有り得ないのに少し期待してしまうほど、一度振り返った弥衣は視線を落としていた。



妬いてる?



いや、今の俺は恋人になる対象どころか、父のような存在に感じているはず。



過保護で、心配性。良いところ兄だろ。



今まで自分がしてきた弥衣への行動に落ち込みながら、隣に並ぶルナと休憩所に向かった。



「ごめん、なんて言おうとした?ここで話したい」


「えっとね、優羽先輩のこと。キラとかモモタも、ううん、バスケ部みんな皆意気消沈って感じで。今年の大会は難しそう」



あそこで話さなくて良かったと心底思った。ルナは中学の頃の同級生で、今は優羽の通っていた高校でバスケ部のマネージャーをしている。



キラとモモタも同級生で、さっき弥衣に声をかけていた夏音ともう二人のことだ。



優羽はバスケ部のキャプテンだった。悲しみに優劣を付けるのは間違っているけれど、毎日のように一緒にいたバスケ部の奴らが立ち直るのにはまだ時間がかかるはず。



俺だって、弥衣だって。優羽がいなくなったことを過去にするのには、余りにも時間が足りない。