「桜名さん今日も休み。でも屋上には来ると思うから行くけど、行く?」
次の日の昼休み、食べ終わるにはまだ早い時間に聞いてしまったせいで「早えーよ」と目で訴えられる。
だけれど数秒後、その目は自信無さげに伏せられた。
「弥衣が心配、だけど怖い。だって、今の私が弥衣と会っても...」
「俺だけだと救えないからあの脚本家は芹沢も登場人物に入れたんだろ、今の弥衣に必要なのは芹沢だって思ったんじゃないの。
それって桜名さんにとっても芹沢にとっても一緒でしょ?」
なにか考えるように下を向いたのはほんの少しの間。
視線を上げた芹沢は自分の中で何か決まったようで、机に置いてある水を一口含んだ。
「...行く」
「俺先に行くから、好きな時に来て」
結果、二人は和解できたようだけれど、俺にとっては面白くない。
誰かの為に泣きそうになってるのだって、相当面白くない。
笑ってほしい。
君の隣に誰が座るか取り合うのだって、君のことが必要だからなんだよ。
...こんな近くに君を必要としてる人がいるってこと、わかってよ。



