彼女がお見舞いにくるのは大体14時、俺の前だった。白いスカートをひらひらさせて、前世は花か何かだと思う。
『ここに来るまでに黒猫見かけたの!多分今日は良いことあるんだと思う』
『...そうだったかな、黒猫はそれの逆じゃない?』
『そんなことない!黒いからってよくないよ優羽、差別だよ』
『えー?』
不幸を幸だと言う君に、
『おまたせ優羽、ご飯食べた?よく眠れた?今日の服かわいい?』
『はは、かわいい、デートみたいで嬉しい。ごめん、起こしてくれたら良かったのに』
病室に入るまで涙を流していたくせに笑顔で隠す君に、
「弥衣の傍に、いてくれないかな
僕の代わりって意味じゃない。秋頼が弥衣の隣にいてほしい」
出会った時の君よりも、親友を愛した君が好きだった。
幸せの中で笑っていてほしかった。
「...わかってる。絶対あの子を守るって誓う、優羽のとこにはいかせないから」
優羽の幼馴染だって知ったら、思い出すことを恐れて、もし死を選べば止められるとわかっているから、俺に近づかないかもしれない。
そう思ったのは優羽も一緒で、ある約束をした。



