エンドロールの先でも君を恋うから


頭の上に付いた黒いリボンが揺れるほど勢いよく背伸びをする。



ひとつの段差で、少しだけ距離が遠くていつもよりも由良くんが遠いせい。



「衣装より弥衣が可愛い。ずっと見ていられる」



眼差しにはちゃんと温度があった。熱がうつって顔が火照りそうになる。



「嘘じゃない?」


「じゃない。ほら教室戻るよ、俺も着替える」



手を引かれて賑やかな廊下のほうへ歩き出す。



由良くんの背中に、ありがとうとごめんねを伝えようとしたけれど、何か違う気がして口を噤んだ。



私が言いたいことって本当にこれで合ってる?




「迷ってる時点で違うんだろ」



コンテストが始まる一時間前、家庭科室で準備に追われる私たち。今日まで長かったような短かったような。



果たして夏音くんは私と手を繋げるようになったのだろうか。



私の髪の毛をセットしてくれている間、まだ準備には早い夏音くんと並んでギイギイ鳴る木造の椅子に座っていた。



私が考えているのは、コンテストの事ではなくて、これが終わったら食べたいなって思っていた、顔よりも大きい綿あめの事でもない。



私は由良くんに何を伝えたいんだっけ。