エンドロールの先でも君を恋うから


「彼女に道でも聞いてました?」


「...だいじょぶでーす」



ああ、すごく怒ってる。



彼氏いなさそうな奴狙おう、なんて呟く声が遠ざかるとすかさず由良くんが随分と大きな声で口を挟んだ。



「あ、なるほど、迷子ですかー?放送室までご案内しますよ!お名前お聞かせください」



漫画のセリフなら真っ黒で描かれるであろう声で背を向けた三人に呼びかけると、いくつもの視線が集まる。



ようやく大勢の視線の中心にいると気づいた男の人たちは、バツが悪そうに校門まで走っていった。



くるりと振り返った由良くんはやっぱり不機嫌で、何を言いたいか手を取るようにわかる。



「ごめんなさい」


「なにしてるの、弥衣当番でしょ」


「...由良くんにこの衣装見せに来たの。...あ!あの、アリスのラフは由良くんが書いたって聞いたから!出来栄えを見せに!」



どうですか、と見上げると目を丸くする由良くん。



周りの声が遠くに感じる。彼の声だけ聞いていたいって思っているから。



きっと褒めてくれるから、一文字も聞き漏らしたくない。



「かわいいよ」


「か、髪もね、くるって巻いたの。お化粧もしたんだよ」