由良くんの本当の言葉が聞きたいの。
「コンニチワ〜、ひとり?」
外に出ようと靴を履き替えようとした時、真正面に立ち塞がる人は由良くんではなくて。
高校生ではないであろう見た目の男の人たち。私みたいに衣装を纏っていなくても、十分目立つ三人だった。
多分まずい状況。
「今、人探してて...」
「えー俺らも探してあげるよ」
そうなるの...?それなら仕方ないね、ってなると思ったのに。
腕を掴まれると、一気に状況を理解しざるを得ず寒気が体を襲った。力が強くて怖くて溜まる涙には、自分の情けなさも含まれている。
こんな時に思い浮かぶのは、いつも由良くんなんだ。
だって分かるから。
こういう時、絶対来てくれるの。
「───弥衣」
圧迫されていた腕が離されて、私の前に影ができる。見つけて急いで来てくれたのか、ここは外なのに上履きのまま。
由良くんの匂いがする。由良くんの後ろ手があったかくて引いた涙がまた瞳に透明な膜を張る。
ほら、魔法使い。
今までの積み重ねた“大事”が嘘で作られたのだとしても、私の中の由良くんの存在は変わらない。
あの日からずっとずっと真ん中にいる。



