エンドロールの先でも君を恋うから


「お邪魔します」


「どうぞ。えっとね...よいしょ...これだ!スリッパはこれ使ってね」



私の家に上がってもらったのは、「送る」と言ってくれた由良くんと並んで帰る途中に降ってきた雨のせい。



優羽と出掛けた時のことを思い出すような出来事に、なにかが私に訴えているような気がした。



雨が由良くんが帰るのを阻んでいるような、そんな音に聞こえる。



悪いから帰るよ、と言う彼を無理言って引き止めたのがどしゃ降りになる前のこと。



家に入った途端、氷がぶつかっているような雨音に思わず顔を見合せた。



「弥衣ちゃんおかえり.....あ、由良さん?姉がいつもお世話に...ってうわ、二人とも濡れてる。シャワー浴びてきてください」



睦希が一度部屋に戻って持ってきたものは、白のスウェットにラフなパンツ。なんの意味も無いけれど、受け取る由良くんをぼうっと見つめていた。



「お客様なので先に由良さんに勧めるべきだろうけど…きっと弥衣ちゃんの後に入るでしょう?」


「ん、肌冷たいから出来ればそうしてほしい。ね、弥衣」



私の頬に触れた手の体温を感じなかったのは、由良くんも同じくらい冷えてるってこと。