私も着たかったけど、由良くんの着物姿も見たかったけど。
「次はまた涼しくなった時に行こう?四人でも楽しそうだね!」
「二人で」
「...じゃあ、二人で」
次の約束はしないつもりだった。その時に私がどうしてるか想像がつかなかったから。
それなのに、彼がいるとそんな不安は持っているだけ無駄だと思わせられる。
夏休みの前に由良くんと予定を決めたあの日。真っ白だったカレンダーを埋めていくあの時間は、私の一生で結構上の出来事だと思う。
そう言ったら大袈裟だって嬉しそうに笑うんだろうな。
少し距離の空いた背中を見つめると、どうやら視力2.0の目がついていたようですぐに振り返る。
駅に向かっているのは、解散ではなくプランBの為に電車を使うらしい。
まだ日の出ているこの時間に帰るのは惜しいと、最初からそれ用に二つの案を出していたのだ。
頭の回転が並の五倍早い、彼のその頭の中を覗いてみたいと思った。
バスケに学校生活、ほんのちょっとの隙間にでも私が入り込んでいたらいいな、と望んでしまっている。
乱雑に置いておいても怒らない。あたたかさも何も無い場所でも、気づいた時に私を思い出してくれるだけでいいのだ。



