エンドロールの先でも君を恋うから


手の震えが止まらないんだよね、と何かの会話の中で軽く言っていたのを思い出した。



いま、どれだけ苦労して文字のパネルを叩いているんだろう。きゅっと心臓が小さくなった気がして、その分大きく息を吸う。吐く。



想像しただけで胸が痛くて指先が冷たくなっていった。体全部に伝わって、体温をことごとく奪っていく。



───“羽、無くなっちゃったみたい”



意図せずに一瞬息が止まる感覚。



これは、本当にあの優羽?



今まで、落ち込んでいる顔なんて見たこともない。いつも穏やかで明るい人だった。人を惹き付けて、真ん中が似合う人だった。



入院が決まった日にだって「大丈夫大丈夫」って笑ってみせたのだ。



しかし「羽」を使って表現するのはどこか優羽だと感じさせられて、私は場違いに安心した。そんな言葉、貴方しか使えないよ。



まだ全然間に合うから、やめるなんていわないで。



「優羽、今どんな顔してる...?」



私が泣いてる場合じゃないんだ。笑ってないと、手を引かないと、優羽が立てなくなる。



“羽が無くなっても優(ゆう)、でしょ?
飛べなくて困っているなら私の衣(ころも)、あげるよ
包んで何からでも守ってあげる。ね?”



この返事が合っていたのか間違いだったのか、今でも正解は分からないまま。



願わくは、少しでも彼を救いあげる言葉になれ、と。