「朝、瑞星くん起きてたでしょう?」
「気づいてた?瑞星めちゃくちゃ焦ってたよ、止めて止めてって口動かしてた」
あの不自然な寝返りも、由良くんへのアピールだったんだろう。
「そうやって意地悪ばっかりする...でもこうでもしないと二人とも動かなかったかも」
つまり、二人はずっと想いあっていたのだ。
瑞星くんから直接聞いたわけじゃないけれど、なんとなく雰囲気でわかっていた。
きっとあともう少し。
月ちゃんはどんな反応するのかな。
幸せでいてほしい。
…でもたまには私のことも構ってほしいな、なんて。
由良くんも、私のこと、
ゆらゆら、うとうと。
「おやすみ弥衣」
それから一時間後、優しい声音で起こされて目をうっすら開ける。私にかけられた彼のパーカーとずっと頬に感じていた体温。
目を合わせるとやんわり微笑むから。
気づいてしまったんだ。ううん、もっと前から気づいていた。
────由良くんの想い人は、私。



