エンドロールの先でも君を恋うから


すっかり暗くなった空に満月が浮かんでいる。



帰りのバスに揺られながら、まどろみの中で浮かんだのは楽しい思い出ばかり。



途中少しだけ物憂い気持ちになってしまったけれど。



やっぱり、楽しかった。



こうやって私が笑っていたら、優羽は嬉しいのかな。だからあの願い事にしたのかな。



どこかで見てるの?



自分がこの輪に居られないこと、嫌にならない?貴方の存在を無視するように笑わないでって泣いたりしない?



ううん、



私が大切な人たちの真ん中で笑えば、優羽は嬉しいよね。そういう人だから。



“────じゃあ弥衣は優羽君に何をあげられる?”



今は無い彼にあげられるもの。



名前が付くもの、付かないもの。形のあるもの、無いもの。



色んなものが見つかった。今なら大切なものがどれだと指を指せる。



「弥衣、後ろ見て」



まぶたが落ちるほんの少し前、朝とは変わって私の隣に座る由良くんに肩を軽く叩かれて後ろを振り返る。



「...あ」



月ちゃんは瑞星くんの肩の上に頭を乗せ、瑞星くんは月ちゃんの頭に優しく手を添えて眠っていた。



二人とも幸せな夢を見ていそうな。