由良くんも、夏音くんの友達も、なんとなく気づいてるんじゃないかな。夏音くんの隠しごと。
なんせ魔法使いだから。
少しして離された腕と同時に振り向くと、呆れたようなため息をつく由良くん。怒っています、と言わんばかりに怖い顔をして私を見下ろす。
「パーカー着とけって言っただろ。
でかい服着てたら男連れだって誰も寄ってこなかったのに」
「...ごめんなさい、聞いてなかった」
「これ、買いに行くのも聞こえてなかった?」
左手に持っていたのは、ストローが二本刺さって苺色のシロップがかかったかき氷。
予想は全く的を得ておらず、あのまま夏音くんたちに会わなければもっと叱られていた。
もっとシワを寄せるだろうけれど、余りにも由良くんと苺のかき氷が不釣り合いで、吹き出すように笑う。
ちゃんと怒っているのに由良くんの言葉、表情すべてが優しさで出来ているようで困る。
「ありがとう由良くん」
「難しい顔すんな、夏終わるぞ」
「うん、それもそうだね」
不釣り合いなのは、私の為にやってることだからって知ってるよ。
全部全部、私の中に響いてるよ。



