「ウォータースライダー!」
月ちゃんの弾んだ一言で、膨らませた浮き輪を置いて二人乗り用のウォータースライダーの列に並んだ。
最初は月ちゃんの隣で楽しくお喋りしていたものの、もうすぐ順番が来るという時に腕を引かれる。
「瑞星と芹沢、良い感じ?」
こそりと内緒話の声量で問う。
前の二人を一緒に乗せるために私を後ろにしたのだと気づいて何か言おうとすると、興味無いみたいな今更な表情で私の視線から逸らした。
普段の言い合いからでは想像しにくいけれど、由良くんも月ちゃんもお互いを大切にしているのだ。
もう少し仲良くしてくれると嬉しいとは常々思う。
由良くんって、どうして月ちゃんの想い人知ってるんだろう。
観察力が人一倍ある由良くんなら、当然なのかな。
どんな場面でも気遣いできる由良くんが素敵だと感じる反面、いつしか緩く繋がれていた手に違和感があった。
...震えてる?
「もしかして、高いところ駄目な人?」
「格好悪、思ったよりしんどい。足元崩れそうな感じ、わかる?俺だけなの?」
「やめておいたほうが良いよ、ほら張り紙にも“気分の優れない方は...”って書いてあるし」



