エンドロールの先でも君を恋うから


由良くんと一緒に今日を楽しみたいからやったことだから。



きっとそれは自分の為でもあるけれど。



今はとりあえず、目前にいる彼がどうしてそんなに呆れた顔をするのか教えてほしい。



「ねえ、それって」



ボゴンッ



「頼むから空気読んで?空気って読もうとすれば読めるんだよ、知ってた?」


「ただいま弥衣〜!」



私と由良くんの数センチの間に割り込んだのは、レモン色の浮き輪だった。



さっきの籠った音は由良くんが浮き輪に当たった音だと、ほんのり赤くなった鼻を見て分かる。



いつまでも浮き輪が離れてくれないものだから、真ん中の穴から顔を出すのがなんとも可笑しい。



「読んだ結果!距離近すぎ!」


「そこまでじゃない」



私も月ちゃんに完全同意だけど、火に油を注ぐような余計なことは言わずに黙っておいた。




程なくして、ライム色の浮き輪とボールを持って歩いてきた瑞星くん。



二人で帰ってこなかったのと、月ちゃんの機嫌がなんとなく朝よりも良さそうなのは、なんだか共通の理由がある気がする。



浮き輪を膨らませている間に何かあったのだろうと微笑ましくいた。