『芹沢さんと仲良しだよね、微笑ましいなって思ってたんだ』
『桜名さん、由良と話すの意外!どんな話するの?』
『櫻木君と一緒にいて、格好良すぎて目焼けたりしないの!?』
私がクラスに馴染めるのは、月ちゃん達のおかげなんだよ
そう言うと「弥衣の頑張りだよ」って返ってくるだろうけど、私は絶対に一人じゃ立てなかった
「そろそろ帰ろっか」
そう言って外に出ると、もう空は夕焼け色、それでも息苦しいようなまとわりつく暑さはそのままだった。
帰り道は、最近の月ちゃんのバイト事情だとか、文化祭で着る衣装、瑞星くんが可愛い後輩に告白されていたのを目撃したとか。
私の家に着くまで話すことが尽きなくて、お風呂まで一緒に入ったくらいだった。
「...月ちゃん、私に話したいことある?」
ベッドに入る前、明日の準備をしている最中に話しかけると、肩がびくっと揺れたのがわかった。
一日中ずっと様子がおかしかった。
ベッドの端にいる月ちゃんは、見たことないくらい戸惑った顔をして、瞳はゆらゆら心許なく揺れている。
「ううん」と言うべきか迷っているような月ちゃんの返事を待っていると、耳打ちのように小さく呟いた。



